AIは凄くありませんが凄い技術です

少し前の記事ですが、東京経済 ONLINE に【フェイスブックのAIがぶち当たった「限界」 最先端でも子どもの学習能力には勝てない】という記事が掲載されていました。Facebook において「AI 研究の第一人者」であるアレクサンドル・ルブリュン氏のインタビューですが、これが非常に示唆に富んだものでした。

AI の改善点や限界は?という問いに、氏はこう答えています。

アーティフィシャルインテリジェント(AI)と言われる割に、まだそんなに“インテリ”ではない点だ。今、機械学習は「教師あり学習」という手法が主流だが、膨大な量の例をAIに見せて学ばせる必要がある。たとえば、AIが温度のセ氏からカ氏への変換をできるようにするには、200~300の事例を読み込ませる。AIが「これはネコの写真だ」と認識するには、少なくとも1万枚程度のネコの写真を見せる必要がある。

このところ「AIは人間の仕事を奪う」「スゴイ分析でスゴイ発見をする」「新しいサービスを生む」…こんな具合の記事を見ない日は少ないですし、AI を冠するイベントも盛んに開催され、ちょっとしたお祭り騒ぎの様相です。しかしその一方、上記の通り「現実の AI」は人間の子供にもまだ及ばない訳です。

例えば、Google が提供する AI 基盤「GOOGLE CLOUD MACHINE LEARNING サービス」には既に膨大なデータで学習を済ませた AI で自然言語解析を行う汎用サービス「Google Natural Language API」 があります。ここにサンプルとして私自身の業務メールを投入し「どこの会社とのやりとりか」が判別できるかを試してみました。

Type : organisation
- 該当部署(0.2242)
- グロース株式会社(0.0108)
- R_SALSE(0.0106)
- リード 高田(0.0071)
- 株式会社リード(0.0013)
- リード(0.0008)
- ソリューション事業本部(0.0002)

カッコ内の数値は Salience という合致度のようなものです。こうしてみると、確かに組織(organisation)が取得できてはいます。が、明らかに組織でないものも含まれていますし、そもそも「組織」で一括りにされているため、そこから社名や部署を区別することができません。

Gmail を要し、おそらく世界で最も膨大な日本語テキスト(メール)サンプルを保持する Google ですら(実際に Gmail が AI の学習データとして反映されているかどうかは不明ですが)、汎用サービスとしてはこのレベル感なのが現状です。

しかし、少し見方を変えると、これは十分に「凄い」結果でもあります。全く無加工の文章(メールを)を投入しただけで、ノイズこそありますが「概ね正解」と言える解析が行われている訳です。さらに、それを誰でも、すぐに利用することができます。従来、これだけの仕組みを実現しようとすれば、多大な準備(投資/設計/開発)が必要でした。

この優れた機能を、私たちのビジネス改善に活かさない手はありません。

冒頭の記事では、Facebook は AI を「人手ではとても確認しきれない膨大な画像処理」に活用していました。あくまで現在の AI で実現可能で、かつビジネス(サービス)において高い付加価値を発揮する用途、これがポイントです。

結局のところ、私たち IT 利用者にとって重要なのは、AI の学術的価値や未来的な展望ではなく、この新しいテクノロジーを如何に具体的な課題解決に適応していくかである、と私は考えています。

今、私たちが P&A 社の初製品として開発している「Conductor CRM」も、まさにこのコンセプトに基づいています。

「顧客情報が散逸してしまし、効率的な営業活動ができない」
「顧客が増えすぎて、関係性や状況を把握しきれない」
「顧客情報システムの入力更新に手間暇かかりすぎる」

こうした営業現場にありがちな具体的課題にフォーカスし、AI+従来技術の組み合わせで、営業担当や営業リーダー、経営者の業務効率を抜本的に改善するのが Conductor CRM の製品コンセプトです。

いわゆるリーンスタートアップを前提に開発を進めており、2018 年夏~秋口には最初のリリースを行えるスケジュールです。リリース前には、パイロットユーザの募集も行いたいと考えています。

Conductor CRMに関する情報はこれから折々に発信してゆきますが、もし製品にご興味ありましたら、是非[お問い合わせ]からご連絡ください。

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